――東大阪の野田義和市長は、中山太郎氏(前衆院議員)の秘書をしていた。市会議員に対し、市「議」会議員と書いてしまった。本当は市会議員。罵倒されたと言っていた。
「大阪市だけ大阪市会なんですよ。堺は堺市議会。だから、歴史と伝統のある大阪市会と言っている」
――都構想という言葉が違っていても、これまで府と市の合併が議論されてきたことは、歴史的な流れとしてよくわかる。ただ、どうなんでしょう。財政問題の話。今、大阪府の財政状況は、竹山市長の言葉を借りると必ずしもよくない、と。
「よくないですね。6兆円の借金がありますから」
――これが大阪市(2兆円の借金)と一緒になると、8兆円を超えます。実質公債費比率と算定ルールは総務省が変えてくれるみたいなので、統合した途端に、早期健全化団体になることは避けられそうなんですが、片方で特別区は借金を背負わないにしろ、7割がたの返済原資を負わせる。これは非常に過酷なこと。そういう財政状況の中で、やるべきではないと考えている。どう思うか。
「私は、東京都の特別区は(地方交付税の)不交付団体であるから、あのような特別区の運営ができている。大阪市の市を5か7に割った場合に、それが交付団体である限り、自主財源が35%も都に吸収されるとなると、住民に密着した事業ができるのかといえば、非常にしんどいところがあると思う。
私は、分割がどうのとは言いませんが、堺市に置き換えてみた場合に、1300億円の市税のうち、460億円が都に吸収される、そういうことで基礎的な自治体の住民に密着したサービスができるのかといえば、できないと思う。しかも、そういう特別区の財政構造の中で、借金を背負わせるというのは、本当に住民に寄り添った基礎自治体行政が可能なのかと考えると、疑問に思う」
――堺市に当てはめると、市税の35%が吸い上げられ、仮に3つに特別区が分割されたとして、大阪府と大阪市の借金を背負わせられる。いきなり重たい荷物を背負って、坂道登れという話になる。
「今、(堺市は)政令指定都市でトップクラスの実質公債比率と将来負担比率を誇っている。2位か3位の。そうしたものが、特別区になって背負わせられる借金の重さで、市民の福祉などのまちづくりが本当に担保できるのか。私はできないと思う。だから、堺市については絶対反対だと申し上げた」
――都構想が実現したとして、大阪都があって政令市もあると目の上のたんこぶでしょうね。
「ただね、堺市はね。政令市の中でも特別自治市を目指さない政令市なんですよ。広域機能は全部、大阪府に委ねると言っている。今、横浜、京都、神戸などは特別自治市を目指している。広域機能もすべて府県からくださいと言っている。しかし、堺市は、府は広域に特化してほしい、我々は基礎に特化するから、役割分担をしっかり行うので、基礎自治体行政として、もっと権限をくださいと申し上げている」