2024年4月18日(木)

Wedge REPORT

2014年3月22日

――これはぜひ聞きたかったことだが、竹山市長は大阪府のOB。ずっと政策畑にいた。そのOBの立場から見て、橋下さんが府知事時代に行った改革はいっぱいある。それをどう思うか。

 「財政改革については、私はまだまだ厳しいと思っている。減債基金の積み立ては、やっと始まったばかり。そういう意味で大阪府の財政状況は、総務大臣の許可が必要な起債許可団体であるということを見たら、財政についてはまだまだ厳しい道のりは続いていくと思う。そして、これはかなり大阪の構造的な問題も含んでいる。それと、かつてのバブル期に経済対策をやった、国の経済対策に安易に乗ってしまったという当時の政策の大きな誤りもあると思います。

 これについて、橋下さんや松井さんに、悪くなっているのはあんたの責任やと言うつもりはないですが、やはり、良くはなっていない。これを根本的にやるには、大阪の全体の経済力をどう伸ばしていくのかという大きな問題だと思う。

 もうひとつ。都構想というのは、大阪新都構想のリメイクやと言いたいんですよ。橋下さんが言ったんと違うんですよ。太田房江さんが、私が行革室長のときに、大阪新都構想なるものをつくるために、地方自治研究会を立ち上げ、その中で中間論点整理として大阪新都をつくり、大阪市(アンコ)の部分は新都シティにする案を示した。その案をめぐって、太田さんと磯村隆文さん(大阪市長・当時)の間で論争があって、『絵空事や』と磯村さんは言った。太田さんは『老いては子に従え』と言うなど、大阪府と大阪市をめぐってのそういう構想は当時から議論があった。橋下さんはその部分をリメイクして、大阪新都を大阪都といって、中間論点整理だけ抜き出して、今の都構想でやっている。

 最終は、大阪市分割は、あの中(新都構想)には書いてない。広域連合的に、広域事務を大阪新都に渡していくという案があって、大阪市の分割は書いていない。中間論点整理のいいところだけを抜き出して、自らのWTC(大阪ワールドトレードセンター)問題のひとつの大きな推進力にしたいと思ったんと違いますか。

 自民党の議員と大阪府の職員も、何かをするときに全部邪魔されてきた。そういうような『府市合わせ』(不幸せ)の歴史があって、いろんな構想の中の自分が一番いいところを抜き出したのが大阪都構想だと思います」

――自民党の府会議員に、都構想を言い出す前に、大阪府と大阪市は合併した方がいいと言っていた。府市合わせの問題があるから。自民党の中にも、無くすべきと思っていた。松井さんら維新のコアの人たちが自民党出身だというのは無関係ではない。彼らは持っていたんですよ。そこから出てきて、何かエッセンスだけ抜き出してやっているという点は否めない。

 「特に、大阪市内選出の府議会議員はストレスがたまっていた。市の行事に出席するときに、市会議員より府議会議員はランクが下だった。商店街のアーケードのテープカットの時、市会議員はテープカットできるが、府議会議員は『ここは待っててね』という形で、非常にストレスが溜まっていたのは確かなんです」


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