――府の広域というのは・・・
「港湾とか高速道路とか。防潮堤つくるとか」
――それは今、府なんですよね。堺市としては、政令市だが、そういうものはない?
「ひとつだけあるんですよ。阪神高速道路が入っている。あんなんいらんと言っているんです。今、やっているのはやります。これからはいりません。そういった広域行政は大阪府に任せます。堺市は基礎自治体行政でやります。まちの生活道路を整備するのが先だ」
――地下鉄はどう思いますか。
「地下鉄は、基本的には民営化で馴染むと思っている。それは維新と同じ。民営化で一番大事にしないといけないのは、経営原則。効率的に動いていくかという経営原則。費用便益(BバイC)がはっきり出るかどうかということを考えて、民間の考え方でやっていけばいい。むしろ都が担うなどをしない方がいいと思う」
――自民党や公明党も必ずしも民営化には反対していない。ただ、交通局が出したシミュレートがズタボロだった。
「地下鉄のようなものは、公共性が担保されなければいけない。民営化しても。公共性の担保をしっかりチェックするなら、私は民に任せていいと思います。東京はそれで動いているんですから」
――泉北高速鉄道は、最終的に南海電鉄が買うことになった。
「喜ばしいこと。実際に鉄道のノウハウを持っていないファンドが買うことに対する危惧は非常にある。それと住民の利便性の向上という意味で、本当に今まで高いと言われた乗り継ぎ料金が10円しか引かれないということでいいのかと、地元の市長として大きな声を上げたいと思い、上げた」
――結果的に、維新の会にとっては4人が離脱したので痛い結果になったでしょうが、堺市にとってはよかった話なのか。
「はい。堺市民と和泉市民にとっては、今回の結論は歓迎すべきものやと。松井さんにはありがたいと言いたいです」
――都構想の話。理念には賛同するが、それが必ずしもベストな方法ではないという考え方とのこと。だとすると、竹山市長の頭の中で、二重行政の解消、住民に近い基礎自治体、経済成長戦略については、都構想以外では何があるのか。
「私は、大阪の活力をどういう風にして上げていくかということは、大阪府市がテーブルをしっかりと設けてやるべきだと思う。そして、財界も含めて、今までなかなかうまいこといっていなかったというのは、大阪府の元幹部になってよく分かった。そういう意味で、今、自民党が言っている、広域行政とかまちづくりの部分について府市が議論する場を持っていく。そして今、地方自治法改正の中でも言われているが、広域行政のところでいろいろな課題があった場合に、国(総務大臣)に上げて裁定してもらう、そういうシステムができることは大きな前進だと思っている」