ドイツの次期首相となることが確実なメルツは3月9日、ドイツは仏英と核共有協定の討議をすべきである、と述べた。米国の核の傘に対する不信が背景にある。フランスのマクロン大統領は、関心のある欧州諸国に核の傘を提供することを考える用意があると述べた。
北東アジアにおいては、韓国では国民の過半数以上が核兵器開発に賛成であり、2月末、韓国外相が核武装は「排除されていない」と声明した。
中東では、イランは核兵器に益々近づいている。上記の論説が指摘するように、イランが核兵器を保有すれば、エジプト、サウジ、トルコの核兵器開発を促進するだろう。
「唯一の戦争被爆国」としての日本
核に関する今後の情勢は、東アジアにおいても中東においても、核兵器の廃絶ではなく核兵器の拡散に向かうことは、必定であると判断される。
このような核兵器をめぐる情勢に鑑み、日本は、「唯一の戦争被爆国」であるとのアイデンティティ(これはなくなる可能性が高い)を大切にし、非核3原則を核兵器政策の基本にしていることは不適切であり、核兵器問題を持ち込みの是非を含め、今一度、真剣に検討すべき時期が来たのではないかと考えられる。
平和は、それを願望したら実現するというものではない。力による平和が最も信頼できる平和であるということと、自分の国は自分で守るのが原則であることを今一度考えてみる必要がある。
