1月下旬になると、リバランシング政策の新たな改訂版がメディアをにぎわせた。米国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長で中国専門家のエバン・メデイロス氏は日本の共同通信とのインタビューで、日米同盟に対する明確な支持を表明。中国のADIZは「挑発的で不安定化を招く」とし、南シナ海でADIZを設定しないよう中国に警告した。
同じ頃、東アジア・太平洋担当国務次官補のダニエル・ラッセル氏は米議会で証言し、なぜ中国が南シナ海のほぼ全域に対して領有権を主張することをやめ、その代わりに、海域全体でなく陸上施設の領有権を訴えることで慣習的な国際法に従う必要があるかを説明した。同氏はまた、海上における中国の悪しき行動を槍玉に挙げて批判した。
一方、岸田文雄外相とケリー長官はワシントンで会談。両者は日米同盟を再確認し、中国の危険な強硬姿勢に対して警鐘を鳴らした。ケリー長官はこの会談に続いてアジアを歴訪し、訪問先で抑止と同盟、そして事態のエスカレーションと衝突を避けるための対策の必要性を強調した。
アジア訪問で示す
ピボット戦略の継続性
これが、4月に日本、韓国、マレーシア、フィリピンを歴訪するオバマ大統領のアジア訪問のお膳立てとなった。オバマ大統領は新しい防衛指針(14年の「4年毎の国防計画見直し」)と新しい国家安全保障戦略を携え、アジアへのリバランスがオバマ政権の政策であり続けることを再確認する構えだ。国防戦略指針は今後も防衛の海上・航空戦力のアジアシフトを継続することになっており、この戦略は世界に、リバランシング政策が包括的で主に拡大する貿易・外交関係に基づいていることを思い出させてくれるだろう。
実際、前述のテーマは偶然ではなく、13年12月、日本の新たな防衛大綱と国家安全保障戦略(NSS)でも取り上げられている。
では、オバマ大統領はアジアへのリバランシング戦略に対する本気度を示すために何をすべきなのか。