2024年12月22日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年3月18日

 1月23日付けで、ジョナサン・ポラック米ブルッキングス研究所上席研究員とジェフリー・べーダー前NSC東アジア部長が連名でオバマ大統領宛てに「アジア・リバランスに回帰せよ」との覚書をブルッキングス研究所のサイトに書いています。

 すなわち、アジア・リバランス政策は中国が用心深くみており、北朝鮮は反対しているが、地域のほぼすべての国が支持している。これは時宜を得た政策である。我々は政策の成功を積み上げ、言動が一致するようにし、これが米国の長期的な政策の方向性であることを示すべきである。

 我々の課題は3つである。米国の長期的な利益を守り、増進すること。同盟諸国やパートナー諸国との関係を深化させ、新しい国に手を差し伸べること。これらを台頭する中国を疎外することなく、軍事対立なしに達成すること。

 これらを成功させるためには、問題を上手く処理する必要があり、オバマ大統領の直接の関与が時には必要である。

 我々は次の措置を勧告する。

 第1:強制予算削減が西太平洋での即応体制と能力に損害を与えないようにすること。

 第2:今年前半にTPP交渉を終えるように努め、中国にも中国が加入のための条件を満たせば、加入を支持すると言うこと。

 第3:中共の第3全中会を踏まえ、経済改革を進めようとする中国指導部の努力を支持すること。米中投資協定を2016年までに締結すること。

 第4:重要なアジアのパートナー諸国を我々の利害にもっと結びつけること。安倍総理の安全保障強化策を支持すべきであるが、靖国参拝のような日韓、日中関係を悪化させる歴史問題を掻き立てないことを求めるべきである。安倍総理の経済回復策も支持すべきである。同時に朴大統領に日韓関係を正常化するように求めるべきである。

 第5:東シナ海、南シナ海での領土紛争の鎮静化を図ること。

 オバマ大統領のアジア・リバランス政策の政治上、安全保障上、経済上の要素は明確にされ、地域でもよく理解されている。


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