2024年7月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年5月14日

 最終的には、サウジが受け入れ得る新しい地域均衡を見つけることが重要である。サウジは中東地域で経済的、宗教的に重要である。イラン封じ込めが地域の不安定につながったように、サウジが過激になるのも困る。サウジはイラン同様、特に宗派対立について、問題の解決の一部であるべきである、と論じています。

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 論説は、サウジの最近の言動をパニックのようだと特徴づけ、その原因は米・イラン関係の進展だけではなく、サウジを取り巻く状況全体にあるとしています。この分析は、その通りでしょう。

 サウジは、オバマに対して強い不信感を持っています。米国がエジプトのムバラク元大統領追放を幇助あるいは黙認したこと、オバマが「シリアでの化学兵器使用はレッドライン」と言ったにもかかわらず使用後に不介入を決め込んだこと、イラン核問題での米国の「妥協的対応」など、サウジの米国への不満は数多くあります。それが不安感につながり、最近のサウジの言動が、パニックとまでは言わないにせよ、不安定になっていることは否定しえません。

 3月末にオバマはサウジを訪問し、関係修復を試みました。共同声明や共同記者発表が出されなかったので、どの程度修復できたのか明確には分かりませんが、この論説も言うように、サウジは経済面でも宗教面でも重要ですから、サウジを不安のままにしておくべきではありません。ウクライナ問題をめぐる対ロ制裁措置がロシアの石油・ガス輸出をターゲットにする場合には、サウジに増産を要請しなければならない場面も出てくるかもしれません。

 イランの核問題を交渉によって解決することはサウジの利益でもある、と説得することは可能でしょう。エジプトではムスリム同胞団は既に権力を失い、サウジ好みの軍政が復活しています。中東全域でのヒズボラなどの親イラン勢力への対応と、シリアでの対応如何(例えば米国が反乱軍への支援を強化する)により、米・サウジ関係に修復の糸口を見出すことは可能であるように思われます。

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