石破首相の役割とは
戦後80年に際し、石破首相は談話や見解を述べる必要はない。ただし、首相を続投するのであれば、極めて重要な役割がある。それは中露による歴史戦への対応だ。
ロシアは対日戦の正統性を強調するため、日本が降伏文書に調印した翌日の9月3日を「第2次世界大戦終結の日」と定め、中国も「抗日戦争勝利記念日」としている。しかも今年は、北京で「抗日戦の勝利から80年」を掲げ、大規模な軍事パレードが計画され、ロシアのプーチン大統領が参加する予定だ。
中露両国から、戦後80年で政府としての談話を出さない日本に対し、「戦争への謝罪や反省がない」などと非難してくることが予想される。そうした主張や言いがかりに対し、毅然として反論しなければならない。
安倍首相が国内の有識者はもとより、米豪などの首脳らと何度も意見交換したように、石破首相は70年談話を明確に踏襲するとともに、外務省や各国の日本大使館などを総動員し、欧米や東南アジア諸国から幅広く支持される主張を急ぎ構築しなければならない。
