チャイナ・ウォッチャーの視点

2014年6月5日

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小原凡司 (おはら・ぼんじ)

笹川平和財団 上席研究員

1963年生まれ。85年防衛大学校卒業、98年筑波大学大学院修士課程修了。駐中国防衛駐在官(海軍武官)、防衛省海上幕僚監部情報班長、海上自衛隊第21航空隊司令などを歴任。IHS Jane’s、東京財団研究員などを経て現職。

 また、2014年の全人代では空軍が元気だった。記者のぶら下がり取材に対して、勢いの良いことをまくし立てたのだ。これまで見られなかった光景である。翌日は、さすがに品のない態度を注意されたのか、発言を控えていた。

 さらに、習主席は2014年4月、空軍関係者と会談し、「中国空軍は空中と宇宙空間の作戦における力を強化すべきだ」と語った。中国メディアも同15日、習主席の言葉を取り上げ、「中国の安全と軍事戦略は空軍にかかっており、人民空軍は攻撃と防衛をともに強化すべきだ」と報じている。

 これまで、海軍重視の陰で押さえつけられてきた空軍が、ようやく日の目を見る、といきり立つのも無理はない。

他国空軍との交流で国際的な常識の理解を

 これに、ロシアの軍事協力という後押しも加わった。現在のところ、国際的な常識を知らず、これから存在感を示すのだと考える空軍に、行動を自制する要素はない。

 習主席が空軍重視の方針を表明した以上、空軍の装備も増強されるだろう。中国空軍の非常識な行動が中国の品位を落とすことになっても、現段階で、中国指導部が空軍の行動を制御するのは難しい。再度、空軍の不満を高めることになりかねないからだ。

 そうなると、現状では、中国空軍の危険な行動は繰り返される可能性が高い。中国空軍にも、他国空軍との交流等を通じて国際的な常識を理解する機会を作るよう、各国が働きかける必要があるのではないだろうか。

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