2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月18日

 ザリフは、核交渉に関連して、イランが核武装する意図がないことを強調していますが、世界がそれに納得するかどうは別問題です。国際原子力機関(IAEA)は、イランはこれまで核兵器開発に関連した活動をしてきたと疑っており、米国の国家情報局は、イランは2003年まで核兵器開発をしてきたと言っています。イランが現在核武装を否定しているのは、論文の言う通りでしょうが、世界を納得させるには、その担保を交渉で提供しなければなりません。

 一方、論文は、外国、特に米国がイランの国家の正当な権利や尊厳を尊重しなければない、と述べていますが、これは、イランがこれらが尊重されていないと感じていることを意味します。イラン人は過去の文明を背景にした誇り高い国民であり、彼らの尊厳を尊重することは重要です。ただ、これは、イランの外交政策の評価と表裏一体をなすものであり、ロウハニの外交政策が評価されるようになれば、イラン人の感じ方も変わっていくことになるのでしょう。

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