がんと共に生きる哲学
病院の窓から見る朝焼けは、どんな名画よりも美しい。この命の光を再び見られたことに、ただ感謝している。がんと闘うというより、がんと共生して歩む。がんは私の敵ではなく、人生の最終章を豊かにしてくれる“語り相手”なのかもしれない。「がんファイター」という言葉は、単なる勇ましい響きではない。それは、自分の人生を最後まで諦めずに見つめ続ける姿勢そのものだと思う。孫たちの応援を受けて不眠症とて痛みと孤独に耐える闘病生活が永遠に続く気がしてくる。
自然治癒力とは、医学用語ではなく、生き抜こうとする“人間の根源的な力”気力や胆力でもある。
読者へのメッセージ
このエッセイを読んでくださるすべてのがん患者へ伝えたい。ステージ4だからといって、希望を失う必要はない。たとえ医師から厳しい現実を告げられても、あなたの体には「治る力」免疫力が宿っている。医療を信じ、自分を信じ、そして支えてくれる人々に感謝すること。それが、がんファイターとしての第一歩である。私は今も病室の窓辺で、季節の移ろいを感じながら、静かに体の声を聴いている。命が再び動き出す鼓動を確かめながら──。
