2024年4月26日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月23日

 地上攻撃について言えば、中国はYJ-63型(200キロ)の空中発射巡航ミサイルとDH-10型の陸上発射巡航ミサイル(1500キロ)の2種類を持つ。これらは台湾有事の際に限られそうであるが、場合によっては将来台湾を超えた海域で使用されることもあろう。

 目下、中台関係は比較的安定しているが、中国はこれが変化することを恐れている。いずれにせよ、中国にとって台湾独立阻止は最優先課題である、と論じています。

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 上記は、米軍事専門家たちが、中国の対艦攻撃巡航ミサイルと対地上攻撃巡航ミサイルの今後の運用シナリオについて書いたものです。そして、中国の軍事力は、米国のそれに比し、全体として未だはるか劣ったものではあるが、その差が着実に縮まりつつある、と注意を喚起しています。

 1996年の台湾海峡危機の際には、中国が台湾周辺海域にミサイルを発射し、それに対抗して米国の空母2隻が同海峡に急派されました。米国空母に対し為すすべのなかった中国軍にとって、この事件が悪夢となったという歴史的経緯を踏まえ、その後中国が巡航ミサイルの開発にとくに力を入れてきたことは本論文の指摘するとおりです。中国にとって、台湾独立阻止が彼らの言う「核心的利益」の最右翼に位置することは、当時も現在も変わっていません。

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