2025年12月14日(日)

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2025年11月26日

 高市政権が発足してから1ヵ月が経過しました。高市首相は自身のホームページで、経済成長には産業向けに競争力のある電気料金が不可欠だと訴えていますが、これまでエネルギーや環境問題への言及は限定的で、総裁選立候補時のスピーチなどで断片的に触れるにとどまっていました。例えば「美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことに反対」と明言し、太陽光発電の無秩序な拡大と輸入依存の現状を改めたいという姿勢を示しています。

 10月24日の所信表明演説でも、エネルギーについて「国民生活と国内産業の持続、立地競争力の強化には、安定的かつ安価なエネルギー供給が不可欠。原子力やペロブスカイト太陽電池など国産エネルギーが重要です」と述べ、GX予算の活用、地域の理解や環境への配慮を前提に脱炭素電源の最大限活用、光電融合による省エネや燃料転換、次世代革新炉や核融合の早期実装を掲げました。一方で、温暖化問題への直接的な言及はありませんでした。

 足元では、生成AIの急速な普及を背景に、データセンターの電力需要増が世界的に懸念されています。米国では2030年に向けて需要の大幅増と供給不足のリスクが予測されており、日本でもデータセンターを推進する一方、この10年近く発電量が減少している現実があります。

 本動画では、生成AIによる需要増の下で供給確保が急務となる中、高市首相のこれまでの発言から浮かび上がるエネルギー政策を、安全保障、経済性、温暖化問題の三つの観点から、エネルギー問題の第一人者である山本隆三氏が整理・解説します。政策の方向性、課題、実装に向けた論点を明らかにし、今後の議論に資する視座を提供します。

*撮影時の状況により、音声・画像の不具合がいくつかございますので、ご了承ください。
*掲載期限等の関係で、動画を予告なく非公開化・配信停止する場合がございますので、ご了承ください。

 

【出演者】
山本隆三(やまもと・りゅうぞう)
常葉大学名誉教授。NPO法人国際環境経済研究所所長。京都大学卒。住友商事地球環境部長、プール学院大学(現桃山学院教育大学)教授、常葉大学経営学部教授を経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『最新 間違いだらけのエネルギー問題』『間違いだらけの電力問題』(いずれもウェッジ)、『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社新書)、『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

 

【著書の紹介】
『最新 間違いだらけのエネルギー問題』(ウェッジ)
インフレに苦しむ日本国民! 拙速な脱石炭、再生可能エネルギー導入は、貧困問題を脇に置き、電力の安定供給を全く無視するもので、かえって国民の生活を貧しいものにする。海外のエネルギー事情に詳しい著者が、真に持続可能な社会を構築する方法を模索する。
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『間違いだらけの電力問題』(ウェッジ)
〈第45回エネルギーフォーラム賞普及啓発賞受賞〉電気は社会を支える重要なインフラであり、行き当たりばったりのエネルギー政策では対処できない。脱炭素の行方をふくめ、エネルギー事情に詳しい著者が様々な角度から電力問題を考える。
https://amzn.to/42mrXr0

 

【関連記事】
コメの値上がりよりも家計に影響を与えるエネルギー価格の上昇
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/39371
 

貧しくなり生活苦を感じる日本人とエネルギー問題の知られざる関係
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/39413

 

【関連動画】
これが物価高騰の正体!コメと電気代値上げに隠された深刻なエネルギー事情
https://youtu.be/fqXaf1JMa2E

 

【リンク】
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