「ベンチに座ることを快く思わない選手の採用は
難しい」と判断されたナスリ(フランス)
1998年の自国開催時に優勝、2006年ドイツ大会では準優勝した古豪フランス。この伝統あるナショナルチームで、実力は十分認められながらも落選してしまったのがサミル・ナスリだ。所属クラブではリーグ優勝に貢献するなど絶好調だが、代表として芳しい成績が残せなかったことが決定的な落選要因となった。
また、彼自身の問題発言が選ばれなかった理由の一つといわれている。いわく、「控えとして扱われるのは我慢できない」。これを聞いたデシャン監督は、「彼はベンチに座る(=控え選手となる)ことを良しとしない。そのような選手の採用は難しい」と、迷いなく代表メンバーから外したことを明かしている。
そもそもフランスは、前回大会で人間関係のもつれから、選手が練習をボイコットする前代未聞の事件を起こしている。デシャン監督はメンバー選出に「人間性を重視した」と述べた。つまり、内輪もめの火種を早いうちに消したかったというのが本音だったのだ。こうした選考が功を奏したのか、フランスはグループリーグで好調を維持し、ホンジュラス相手に3-0、スイス相手に5-2で快勝している。
メッシとの相性の悪さが指摘された
テベス(アルゼンチン)
ブラジルと並ぶ南米の強豪国ながら、1990年のイタリア大会以降、ベスト4が遠いアルゼンチン。選ばれない可能性が高いとは噂されながらも、多くの国民がカルロス・テベスのサプライズ選出を願ったことだろう。イタリアのクラブに移籍した初年度からリーグ戦19得点。この活躍は代表選手に選ばれて当然の成績だが、メンバー表の中に彼の名が記されることはなかった。
アレハンドロ・サベジャ監督の就任以降、一度も招集されていない選手の落選理由を今さら求めるのは難しい。あくまで憶測の域を出ないが、同国の絶対エースであるメッシとの相性の悪さが決定的な理由と言われている。