マレーシア航空MH370便の残骸の捜索は、同機が消息を絶ってから10年以上たって再開される。写真は、クアラルンプールで開催された同事案による行方不明者の家族のためのイベントの様子
2014年3月に乗客乗員239人を乗せたまま行方不明となったマレーシア航空MH370便の残骸の捜索が、今月30日に再開される。マレーシア当局が3日、発表した。
新たな捜索は55日間にわたって実施される予定。今年3月に開始されたものの、悪天候のため間もなく中断されていた。
現地メディアによると、マレーシア運輸省は捜索再開について、「この悲劇で影響を受けた家族に区切りを与えるという、マレーシアの取り組みを強調するものだ」としている。
米ボーイング777型機のMH370便は2014年3月8日、クアラルンプールから北京に向かった。離陸から1時間足らずで航空管制との交信を失い、消息を絶った。レーダーは、同機が当初の飛行経路から逸脱したことを示していた。
現在の捜索は、探査会社オーシャン・インフィニティーが「発見できなければ報酬なし」という条件で主導している。マレーシアのローク・シウ・フック運輸相は以前、残骸が見つかった場合、同社には7000万ドル(約109億円)が支払われると述べていた。
過去には、26カ国から60隻の船舶と50機の航空機が参加した大規模な捜索が行われたが、2017年に終了した。また、オーシャン・インフィニティーによる2018年の捜索も、3カ月間で終わった。
この事案は依然として、航空史上で最大級の謎の一つであり、搭乗者の家族を苦しめ続けている。長年にわたり、多くの人が区切りを求めて新たな捜索を呼びかけてきた。
一方で、パイロットが意図的に機体を墜落させたという推測や、ハイジャックされたという説など、数多くの陰謀論とされるものも生んできた。
2018年の調査では、機体の操縦が意図的に操作され、進路を外れた可能性が高いとされたが、その背景について結論は出されなかった。
当時の調査官は、「答えは残骸が見つかった場合にのみ確定できる」と述べた。
(英語記事 Search for long-missing Malaysia Airlines flight MH370 to resume)
