Economist誌11月29日号の社説が、「同誌がイランのアラグチ外相にインタビューしたところ、同外相は6月の空爆前に米・イラン間で国際的な監視の下、イラン国内でウランの濃縮を行う事でほとんど合意に達していたと述べ、再交渉を提案した。イラン側の時間稼ぎの可能性も高いが、トランプ大統領はこの可能性に賭けるべきだ」としている。要旨は次の通り。
Economist誌関係者は(アラグチ・イラン外相の招きで)イランを訪問した。イラン側は6月の12日間戦争で打ちのめされ、核施設は瓦礫の下に埋まり、多くの軍、核科学者が殺害された結果、イランの指導者達は縮こまっていると信じられているが、アラグチ外相は、米国との交渉の再開を呼びかけた。
同外相は、6月の空爆の前にイランの核開発問題の平和的解決は手の届くところにあった、と主張した。この解決案では、ウランの濃縮は米国も含んだ第三国の監視の下、イラン国内で行われることも含まれている。
懐疑主義者は、これまでと同じ二枚舌だと断じるだろう。イラン側が弾道ミサイルの備蓄を再生産するために時間稼ぎをしたいのは明白だ。なぜならば、イラン側は、来年総選挙に直面するイスラエルのネタニヤフ首相がイランを攻撃することを恐れている。
より大きなリスクへの懸念もある。イランの世論調査によれば、イランの一般市民は、一貫して核武装すべきだとしており、核科学者と軍人が隠されたウラン濃縮施設を用いて核武装に邁進しているかも知れず、今回の提案は、それを隠すための煙幕に過ぎないという見方だ。
しかし、(このような指摘に対して、)アラグチ外相は、「不可能だ」と反論した。同外相は、誰が何と言おうが、400キロの高濃度の濃縮ウランは、破壊された核施設の瓦礫の下で安全に眠っていると主張した。
