2025年12月14日(日)

トランプ2.0

2025年12月14日

トランプの思惑

 トランプは、ウクライナとロシアの和平交渉において、ビジネス取引重視のウィトコフとクシュナーを使い、一方で「価値外交」のルビオも表に出して、バランスをとりながら、自分を交渉の「仲介役」として演出している。トランプの最大の関心事は、「利益」を最大限にするビジネス取引にあるのだが、それを隠して、ウクライナとロシアの兵士の死者数に懸念を示す発言を繰り返し、自分を「平和の追求者」のように見せてかけているように思われる。

 トランプがプーチンと踊っているタンゴは、民主主義と自由主義をテーマにしたタンゴとかなりかけ離れている。米ロのビジネス取引を成功させるために、「弱者」ウクライナに和平案を呑ませ、米ロがタンゴを踊り切る。その先には、巨大な富と、あわよくばノーベル平和賞が待ち受けている。

 米ロのタンゴを踊る中立性を欠いた仲介者トランプ――果たして彼の思惑通りなるのだろうか。

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