2025年12月22日(月)

BBC News

2025年12月22日

南アフリカのバーで21日、銃撃事件が発生し、9人が死亡し、10人が負傷した。現在も犯人の行方を追う捜索が続いている。

警察によると、ヨハネスブルグ近郊のベッカースダルで現地時間21日午前1時ごろ、身元不明の銃撃犯が12人ほど、車両2台で到着し、店内の客に向けて発砲した。犠牲者の内訳は、男性7人と女性2人。

調べによると、容疑者らは「大勢が現場から逃げるなか、無差別に発砲を続けた」という。

南アフリカは世界で最も殺人事件が多い国の一つ。警察の統計によると、今年4月から9月までの間、1日平均63人が殺害されている。

殺人事件は、口論や強盗、ギャングの暴力が原因となることが多い。今回の襲撃の動機は明らかになっていない。

ハウテン州警察のフレッド・ケカナ副本部長はデジタルテレビ局「ニューズルーム・アフリカ」に対し、犯人らは拳銃と自動小銃を所持していたと話した。何か挑発されて攻撃したのではないという。

ていなかった」と語った。「気の毒な客たちは、ただ楽しんでいただけなのに、大勢が来て銃撃した」と述べた。

ケカナ副本部長はさらに、被害者のうち2人はバーの外で逃げようとした際に撃たれ、3人目は近くで乗客を降ろしたタクシー運転手だったと付け加えた。

銃撃音を聞いた後、住民のノクツラ・ブクワナ氏はバーに向かった。

「現場に到着してドアを開けると、確かに大勢が床に倒れていた」と、ロイター通信に語った。

「私たちは走り回り、他の人たちは警察に電話し、私たちも救急車を呼んだ。負傷者の一部は、手押し車を使って診療所まで運ばなくてはならなかった」

別の住民はニューズルーム・アフリカに対し、ベッカースダルでは夜間に銃声が聞こえるのが日常化していると語った。

「犯罪者は、ここでやりたい放題だ」と、この匿名の男性は述べた。

「毎晩必ず銃声が響く。夕暮れになれば、すぐにまた銃声がするぞと私たちは知っているし、実際に激しい銃声が響く。それが私たちのコミュニティーを恐怖に陥れている」

現場で取材に応じた地元自治体のノントンビ・モラトレギ副市長は、住民らが証言や犯人の身元を明かすことを恐れていると述べた。

同氏は、警察の人員や装備が不足し、広範囲に分散していると指摘。住民を守るために軍の介入を求めた。

「我々は、市の政治指導部と同様、国家政府に介入を求めている。(軍を)派遣してこの地域に入れるようにし、目に見える存在になってほしい」と語った。

南アフリカには合法所有の銃が約300万丁ある。一方で、南アフリカ銃所有者協会のギデオン・ジュベール氏が引用した統計によると、同国の人口6300万人に対し、少なくとも同数の無許可の銃器が流通しているという。

今月6日には、首都プレトリア近郊のホステルで、子どもを含む少なくとも11人が銃撃で死亡した。

銃撃で4人以上が死亡または負傷する「銃乱射事件」は、2020年以降大幅に増加していると、活動団体「ガン・フリー・サウスアフリカ」の研究者クレア・テイラー氏がBBCに語った。

同団体が2024年の報道を調べたところ、銃乱射事件の報道は80件記録されており、前年の71件から増加した。ただし、2025年に報道された銃乱射事件件は減少している。

最も多い発生場所は、今回のベッカースダルのような営業許可を受けたバーや、現地で「シビーン」と呼ばれる違法な飲酒場所だという。

(英語記事 Gunmen kill nine in South Africa tavern attack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0r9dgxr14ko


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