2025年12月22日(月)

BBC News

2025年12月22日

今月15日にベルリンで会談した際のゼレンスキー・ウクライナ大統領とウィトコフ米特使(資料)

ロシアとウクライナの戦争終了へ向けて米フロリダ州マイアミで3日間にわたり協議していたアメリカとウクライナの代表団は21日、「生産的かつ建設的な」協議が行われたと述べた。ただし、大きな進展はいまだに得られていない様子。

ドナルド・トランプ米大統領の特使スティーヴ・ウィトコフ氏は、欧州諸国とも協議を重ねた上で、ウクライナの首席交渉官ルステム・ウメロフ氏と共同声明を発表した。

ウィトコフ氏とウメロフ氏は声明で、「多国間による安全の保証枠組み」、「アメリカがウクライナに提供する安全の保証枠組み」、そして「経済と繁栄の計画」に焦点を当てた20項目の計画を焦点に、歩調を整えるために協議を重ねたと述べた。

さらに両者は、「我々の共通の優先事項は、殺戮(さつりく)を止め、保証された安全を確保し、ウクライナの復興と安定と長期的な繁栄のための条件を整えることだ」と述べた。

これとは別に、ロシアのキリル・ドミトリエフ特使とアメリカとの協議もマイアミで行われている。

ウィトコフ特使は、ロシア代表団がフロリダ州で自分や他のアメリカ当局者と会談したと述べた。アメリカ代表団には、トランプ氏の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏も含まれていたという。

ウィトコフ氏は、ロシアのドミトリエフ特使との会合も「生産的かつ建設的」で、「ロシアはウクライナでの和平実現に完全にコミットしている」と述べた。

停戦をめぐる一連の多国間の交渉は、アメリカの和平案28項目が流出し、ロシア寄りに見えるその内容にウクライナと欧州諸国が危機感を抱いたのを機に、1カ月近く続いている。

トランプ氏は、ウクライナとロシアに戦争終結の合意を促している。しかし、ロシアがすでに占領したウクライナ領について、ロシアは引き続き保持すると主張し、ウクライナはこれを受け入れていない。そのほかにも両国は主要な争点で合意に至っていない。

アメリカ情報当局筋6人はロイター通信に対して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が依然としてウクライナ全土の占領と、旧ソ連に含まれていた欧州の一部の奪還を望んでいると、アメリカが得ている情報は示し続けていると話した。

これに先立ちBBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長はプーチン氏に、ロシアが今後新しい「特別軍事作戦」を行うのかと質問した。「特別軍事作戦」は、プーチン氏が2022年2月開始のウクライナ全面侵攻を指す言葉。

これに対しプーチン氏は、「我々を尊重し、我々の利益を尊重するなら、作戦はない。我々が常にあなた方を尊重しようとしてきたのと同じようにだ」と答えていた。

他方、ロシア当局によると、ウクライナのドローン攻撃がロシア南部クラスノダール地方で2隻の船舶と2つの桟橋を損傷させた。大規模な火災が発生したが、ロシア当局によると、乗組員全員が安全に避難した。一部の報道は、石油インフラが標的になったとしている。

(英語記事 US and Ukraine call Miami talks productive despite no breakthrough

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4g9jxjqxlyo


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