2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月7日

 王の反論は稚拙だったというのが出席した各国代表の一致した評価だ。確かに、挑発的なのは中国ではなく、中国を挑発的と非難する側こそ挑発的だ、とする王の論旨は粗雑で幼稚だった。

 しかし、中国にとって、西側や日本が中国は議論に負けたと思うことなどどうでもよいことなのかもしれない。シャングリラ対話の最中も、会場の贅沢なホテルから遠く離れた海域では、中国が大した抵抗に遭うことなく領有権の主張を強めつつある、と報じています。

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 上記の解説記事は、シャングリラ対話における日米と中国の間の論戦について、中国側の反論は稚拙であったと指摘して、日米側に軍配を上げつつも、おそらく、中国は、シャングリラ会議などは、もはや中国が受け入れる必要を感じない旧国際秩序の一部と見ている可能性があると観察しています。そして、それはもともと中国が次長クラスの人間を派遣したことからも分かる、と述べています。

 一つ面白いのは、ヘーゲルの演説は、「3日前のオバマ大統領の外交演説に対する同盟国の失望を打ち消す意図もあったかもしれない」と述べていることです。

 3日前の演説とは、ウエストポイント演説を指します。たしかに、このオバマ演説に関しては、多くの米国の有識者やメディアが失望を表明しました。しかし、もし、この論説が言うように、ヘーゲル長官が早くもその不評判を認識して、その修正路線を表明したとすれば、米政権内には未だに回復力があると、或る程度の希望は持って良いのかもしれません。

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