2025年12月23日(火)

BBC News

2025年12月23日

爆発した車を調べる捜査官ら(22日)

ロシア・モスクワで22日午前、車に仕掛けられた爆発物が爆発し、ロシア軍の高官1人が死亡した。ロシア当局が発表した。

ロシア連邦捜査委員会によると、ファニル・サルワロフ中将(56)が乗っていた車の下に仕掛けられた爆発装置が起爆した。サルワロフ中将は同日、死亡した。

ロシアの首都での爆弾攻撃でロシア軍関係者が死亡したのは、この1年間で3人目。

連邦捜査委員会は、サルワロフ氏は軍の作戦訓練部門のトップだったと説明。捜査中の仮説の一つとして、この爆弾の設置にウクライナの情報機関が関与している可能性があるとした。

ウクライナ側はこの件についてコメントしていない。

連邦捜査委員会によると、サルワロフ氏は爆発で負ったけがが原因で、病院で死亡した。この事件をめぐり、殺人および爆発物の不法取引の疑いで捜査を開始したという。

爆発は、モスクワ南部の集合住宅に近い駐車場で起きた。現場には複数の捜査官が派遣された。

現場を捉えた複数の画像では、起亜自動車の白い車がドアが爆風で開くなど、ひどく損傷している。周囲には複数の車が見える。

ロシアメディアによると、サルワロフ氏は1990年代から2000年代初頭に、オセチア・イングーシ紛争やチェチェン戦争での戦闘作戦に参加。2015~2016年にはシリアでの作戦を指揮したという。

サルワロフ氏の死亡は、ウラジーミル・プーチン大統領に直ちに報告されたと、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は述べた。

ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、モスクワでは複数の軍当局者や著名人が標的となってきた。

2022年には、著名な国家主義思想家でプーチン氏の盟友アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘ダリヤ・ドゥギナ氏(当時29)が、運転していた車の爆発によって死亡した

今年4月には、参謀次長だったヤロスラフ・モスカリク中将がモスクワで発生した自動車爆弾によって死亡した。昨年12月には、

ロシア軍の放射線・化学・生物学防護部隊のトップ、イーゴリ・キリロフ中将と側近1人が、モスクワでの爆発で死亡した。ロシア当局によると、キリロフ氏と側近は、モスクワ南東部のリャザンスキー・プロスペクトにある、キリロフ氏の自宅が入る集合住宅から出てきた際、入口付近に置いてあった電動キックボードに仕掛けられた爆発物によって殺害された。連邦捜査委員会は、爆発物は遠隔操作で起爆したとしている。

ウクライナの情報筋は後に、ウクライナ保安庁がキリロフ氏を殺害したとBBCに語った。しかし、これが正しいのかは公式に確認されていない。ウクライナは方針として、標的型攻撃について公式に認めたり、関与を主張したりすることはない。

(英語記事 Russian general killed by car bomb in Moscow, officials say

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cr5z9l231npo


新着記事

»もっと見る