2025年12月27日(土)

BBC News

2025年12月27日

ラフィ・バーグ記者

イスラエル北部で26日、パレスチナ人が車の突入と刃物による死傷事件を起こし、2人が死亡した。イスラエルの警察は、この事件を「移動型テロ攻撃」と呼んでいる。これとは別に、この前日には、ヨルダン川西岸地区の道端で祈っていたパレスチナ人をイスラエルの予備役兵が四輪バイクでひく事件があった。

警察によると、26日の事件の容疑者は東部ベイト・シェアンで通行人の男性を車ではねた後に現場から走り去り、約12.5キロ西にあるアイン・ハロッド付近で女性を刺した。容疑者はその後、アフラ市外で民間人に撃たれて負傷し、病院に搬送されたという。

当局によると、車両の突入で死亡したのはシムション・モルデハイ氏(68)、ほかに16歳の少年が負傷した。また、刺された被害者はアビブ・マオル氏(18)だった。

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、攻撃の容疑者は、占領下のヨルダン川西岸北部にあるカバティーヤ村の出身だと述べた。

イスラエル国防軍(IDF)は事件後、カバティーヤ地域で作戦を実施する準備を進めていると発表した。カッツ氏はIDFに対し、「力強く、直ちに」行動するよう指示したと述べた。

IDFは、容疑者が「数日前にイスラエル領内に侵入していた」と説明した。

イスラエルの公共放送KANニュースによると、37歳の容疑者はイスラエルで不法に働いており、攻撃には雇用主の車両を使用したという。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、犠牲者の遺族に「深い哀悼の意」を表明した。また、ソーシャルメディア「X」への投稿で「テロリストを無力化した英雄的な市民」を称賛した。

前日には祈るパレスチナ人がイスラエル兵にひかれ

この事件の前日には、ヨルダン川西岸地区の道端で祈っていたパレスチナ人に、イスラエルの予備役兵が四輪バイクで突入する事件があった。

25日の事件の現場映像には、平服で銃を所持した男が、車両で被害者に突進する様子が映っている。報道によると、被害者は無傷だった。

イスラエル軍は、この兵士が以前に近くの村で発砲していたと発表。解任し、武器を没収したと述べた。

国連によると、ヨルダン川西岸では近年、イスラエル入植者によるパレスチナ人への攻撃が急増している。イスラム組織ハマスが主導した2023年10月7日のイスラエル攻撃以降、1000人以上が殺されたという。ハマスの攻撃では約1200人が殺害され、251人がパレスチナ・ガザ地区に拉致された。

ハマスが運営するガザの保健省によると、その後、ガザではイスラエルによる攻撃で7万600人以上が殺されている。

(追加取材:トム・マッカーサー)

(英語記事 Two killed in suspected Palestinian ramming and knife attack in Israel

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c623y2l7ekmo


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