2025年12月27日(土)

BBC News

2025年12月27日

ソマリランドのアブディラフマン・モハメド・アブドゥラヒ大統領は、この宣言を「歴史的」と評した

トム・マッカーサー記者、アブディラフマン・アリ・ディンビル記者

イスラエルは26日、東アフリカ・ソマリアの分離地域ソマリランドを独立国家として正式に承認し、ソマリランドを承認した初めての国となった。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルが農業、医療、技術分野での協力を直ちに拡大する意向だと述べた。ソマリランドのアブディラフマン・モハメド・アブドゥラヒ大統領は、この進展を「歴史的な瞬間だ」と語った。

ソマリランドのアブドゥラヒ氏は声明で、ソマリランドは今後、イスラエルとイスラム諸国との関係正常化を進める「アブラハム合意」に参加すると述べ、これを地域と世界の平和に向けた一歩だと表現した。

また、パートナーシップの構築、相互の繁栄の促進、中東とアフリカ全域での安定の推進に取り組むと付け加えた。

イスラエルのギデオン・サール外相はXに投稿した声明で、両国が「大使の任命と大使館の開設を含む完全な外交関係を樹立することで合意した」と述べた。

また、「私は両国間の関係を幅広い分野で制度化するため、外務省に直ちに行動するよう指示した」と語った。

イスラエルによる承認は、他国による追随の動きを促し、同地域の外交的な信頼性や国際市場へのアクセスを高める可能性がある。

一方、ソマリアのハムザ・アブディ・バレ首相は、イスラエルのソマリランド承認は自国の主権への意図的な攻撃だとして、断固かつ明確に拒否すると反発した。

ソマリア、エジプト、トルコ、ジブチの外相も、イスラエルの決定を非難。4外相は声明で、イスラエルの発表を「全面的に拒否する」と表明した。

エジプトの外相はイスラエルの発表を含む諸問題について協議するため、ソマリア、トルコ、ジブチの各外相と個別に電話会談を行った。

エジプト外務省は声明で、4カ国がソマリアの統一、主権、領土の一体性を支持する立場を再確認したと説明。安定を損なう可能性のある、またはソマリアの国家機関と「並行する存在」を生み出す一方的な措置に警告を発したと述べた。

4カ国はさらに、主権国家の一部を独立国家として承認することは、国際法および国連憲章の下で危険な前例を作ると主張した。

声明はさらに、パレスチナ人を母国の外に移住させるどのような計画も拒否する姿勢を改めて示したと付け加えた。

イスラエルは長年、中東・アフリカ諸国との関係を強化しようとしてきた。しかし、最近のパレスチナ・ガザ地区やイランとの戦争は、民主主義への妨げと見られている。

ドナルド・トランプ米大統領の第1期後半の2020年に締結された歴史的な「アブラハム合意」は、イスラム教徒が多数を占めるアラブ首長国連邦(UAE)やモロッコを含む複数の国がイスラエルとの関係を正常化した。この合意にはその後、他の国々も加わった。

ソマリランドはアデン湾の戦略的な位置を占め、独自の通貨、パスポート、警察組織を持っている。

元独裁者シアド・バレ将軍に対する独立戦争の後、1991年に一方的に独立を宣言した。しかし国際的には承認されておらず、数十年にわたって孤立に苦しんできた。

この人口約600万人の自称・共和国は最近、ソマリアやエチオピア、エジプトを巻き込む複数の地域紛争の中心となっている。

昨年には、内陸国のエチオピアがソマリランドと、港と軍事基地のために海岸線の一部を貸与する合意を結び、ソマリアの反発を招いた。

(英語記事 Israel recognises Somaliland as independent state, Netanyahu says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cy8j04xvz8go


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