2026年1月10日(土)

下水道からの警告

2026年1月9日

 市内13カ所にバイオ液肥の無料スタンドが設置されており、市民や近隣のまちの住民もそこへ駆けつけ、ポリタンクなどに入れて持ち帰ることが日常の風景になっている。また、まにくるーんでつくられた肥料を余らせたことはないという。

米の生産に適した「濃縮バイオ液肥」は有料で散布する(MANIWA CITY)

 「私は農家の家系で育ちました。日本は肥料の自給率も大変低く、意義深い事業だと感じています」

今あるものを生かす発想

 なぜ、真庭市ではこうしたことが実現できたのか。

 「30年ほど前から、収集されるごみ袋に自分の名前を書くようにしていて、真庭市ではメタン発酵に必要な生ごみを分別・収集できる地域性が元から育まれていたことは大きいでしょう。

 また、衛生関係の事業者がこの取り組みに非常に前向きで、事業者との協力体制は盤石でした。

 長年、バイオマスなどに関心を持ち続けてきたこのまちには、『地域の中にあるものをいかに生かせるか』という発想が根付いています。近所に住む70代のおじさんたちも、『今の時代はSDGsじゃけえな』と話すくらいですから」

 現代人が下水との向き合い方を改めるためのヒントが、このまちの歩みに凝縮されている気がした。

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Wedge 2026年1月号より
下水道からの警告 地下空間の声を聞け
下水道からの警告 地下空間の声を聞け

埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故から間もなく1年。各地で下水道の老朽化が問題になっている。しかし、都市と地方では下水道が整備された年代は異なっており、老朽化に悩む自治体もあれば、縮退を決めた自治体もあるなど、問題は様々だ。下水道をはじめとしたインフラは私たちの日常を支える「基盤」であり、「機能」である。目に見えない地下の世界の声を聞き、私たちが直視すべき課題と解決の糸口を提示する。


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