市内13カ所にバイオ液肥の無料スタンドが設置されており、市民や近隣のまちの住民もそこへ駆けつけ、ポリタンクなどに入れて持ち帰ることが日常の風景になっている。また、まにくるーんでつくられた肥料を余らせたことはないという。
「私は農家の家系で育ちました。日本は肥料の自給率も大変低く、意義深い事業だと感じています」
今あるものを生かす発想
なぜ、真庭市ではこうしたことが実現できたのか。
「30年ほど前から、収集されるごみ袋に自分の名前を書くようにしていて、真庭市ではメタン発酵に必要な生ごみを分別・収集できる地域性が元から育まれていたことは大きいでしょう。
また、衛生関係の事業者がこの取り組みに非常に前向きで、事業者との協力体制は盤石でした。
長年、バイオマスなどに関心を持ち続けてきたこのまちには、『地域の中にあるものをいかに生かせるか』という発想が根付いています。近所に住む70代のおじさんたちも、『今の時代はSDGsじゃけえな』と話すくらいですから」
現代人が下水との向き合い方を改めるためのヒントが、このまちの歩みに凝縮されている気がした。
