子どもにとって最高の学びは「遊び」
もう一つは、やらされ感のない自由な勉強です。簡単に言うと、机に向かってきちんとやる勉強ではなく、遊びやお手伝いなど生活のなかでかしこくなっていく学びです。
例えば、ブロック積みで遊んでいるとき、下の台を大きくしておけば、上に高く積むことができるけれど、小さい台の上にブロックを積んでいくとグラグラしてしまい、崩れてしまうことを、子どもは体で覚えます。これを勉強だと思っている子はまずいないでしょう。私たちの身のまわりには、教科書やノートを開かなくても、学べることがたくさんあります。とりわけ、子どもにとって「遊び」は最高の学びの場です。
このように、勉強には「きちんとやらなければいけない勉強」と「自由な勉強」の2種類があります。「きちんとやらなければいけない勉強」は非常に大事ですが、そればかりをやっていると、「勉強はつらいもの」「我慢しながらやるもの」と感じやすくなります。
また、「なぜそれが必要なのか」「どうしてこの解法を使うといいのか」など納得感を持って取り組んでいかないと、ただ言われた通りにやるといったタスク型の勉強になってしまうことがあります。
一方、「自由な勉強」ばかりやっていて、「きちんとやらなければいけない勉強」を疎かにしてしまうと、ざんねんながら成績は伸びていきません。
つまり、どちらもバランスよく行うことが大事なのです。
ですが、幼児期、とりわけ小学校に上がる前までは、「自由な勉強」をたっぷりやっていただきたいのです。なぜなら、子どもは自分が経験したことは身体感覚として残り、その経験と知識をつなぎ合わせることで理解を深めていくからです。
勉強というと、なにか新しい言葉や知識を覚えたり、計算や文章問題などを解いたりするイメージがあると思います。たしかにそれらは大事ですが、いきなりそこから始めてしまうと、ただ作業をするだけの勉強になり、つまらないものになってしまいます。
勉強とは本来、「新しいことを知るのは楽しいな」「できなかったことができるようになるのは嬉しいな」「この問題はむずかしいけれど、ここさえわかれば答えが出せそうだ」と常に心の動きを伴いながら行っていくもの。だから、楽しく取り組めるし、できたときは達成感を味わうことができる。これはAIには体験することができない、人間だけの喜びだと思います。


