基礎学力の土台になる「身体感覚」
ただ、人間もほかの生き物と同じ「動物」であることを忘れてはいけません。動物にとって特に大事なのは、五感です。それをフルに使うことによって、危険から身を守り、生き抜いていく。それは人間も同じです。
いやいや、人生はそこまでサバイバルな世界ではない、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、かしこく生きなければ、誰かの言われた通りにしか動くことができず、自分の人生を自分で切り拓いていけなくなってしまいます。
ですから、五感を研ぎ澄ませることが、とても大事。
ここで必要な感覚とは、見たり、聞いたり、嗅いだり、味わったり、触れたりといった五感を通して感じた身体感覚です。この感覚が備わっていないと、いわゆる皆さんがイメージする基礎学力や読み・書き・計算といった勉強、さらには自分で判断し、考えるといった高度な部分が積み上がっていかないのです。
しっかりとした土台がなければ
知識や能力は積まれていかない
以下の図は、子どもの学びに必要な要素を図で表したものです。いちばん面積が大きい下の部分、つまり土台にあたるものが、この五感を通して身についた身体感覚です。これはすべての動物に欠かせないものなので、「動物的な感覚」という言葉を使ってもいいかもしれません。
幼児期に育てておきたいのは、この「動物的な感覚」です。なぜなら、ここが育っていないと、ブロックを高く積めないように、せっかく学んだ知識が流れ落ちてしまうからです。
「動物的な感覚」は、生活のなかで培われていきます。幼児の場合は、とりわけ「遊び」を通じて育まれていきます。具体的にどのようなことからどんな力、またはどんな感覚が身についていくかを、この章でじっくりお伝えしていきたいと思います。
ここでしっかりとした土台がつくられると、小学生になって本格的な勉強が始まったときに、安定して次の「基礎学力」 「読み・書き・計算」のブロックを積むことができます。そうすれば、その先にある応用・発展問題を扱う受験勉強や、さらには新たな視点で物事を考えたり、問題解決を見出したりするといった人間にしかできない高度な力を積んでいけるようになります。このピラミッド図を常にイメージしておくと、おのずといま大切にしなければいけないことが見えてきます。


