南西諸島でも動きを活発化
さらに、日本の南西諸島周辺での中国の艦艇・航空機の動きも近年活発化している。その一つは、中国海軍艦艇による沖縄・宮古島間の宮古海峡と台湾・与那国島間の与那国海峡の通航回数の伸びである。
宮古海峡は20年には3往復だったのが、23年には27往復、24年には41往復となっている。また与那国海峡は、同じく20年にはゼロだったが、23年には7往復、24年には10往復している。
宮古海峡は最狭部の海峡幅が約200km以上、与那国海峡も100km以上で、いずれの海峡も水深は百から数百mあるものと見られ、空母や大型艦艇が東シナ海から西太平洋に展開するルートとして最適である。中国にとって、台湾侵攻の成功条件の一つは米軍関与の阻止ないし遅延を確保することである。空母等が西太平洋に自由に出ることのできる海峡を、しかも二つ確保しておくことは、有事の即応展開にとって極めて重要である。
また、25年は南西諸島周辺での中国空母の活動が活発化したことも重要な特徴である。同年は5月に空母「遼寧」が宮古海峡を通航し太平洋上で発着訓練が実施された。また6月には「遼寧」と「山東」両空母が日本の南西諸島~西太平洋海域で同時に活動し、飛行作戦が展開された。両空母が同時に活動したのは初めてのことであった。さらに12月には、「遼寧」が沖縄から北大東島海域で艦載機の発着訓練を実施した。
中国軍機による台湾との中間線の侵犯行為も近年急増している。具体的には、22年563回、23年703回、24年805回と推移し、25年には3070回と、一気に3.8倍となった。
もともと中国は「中間線」を公式に認めてこなかったが、それでも2010年代くらいまで中国軍機は実際にはほとんどこのラインを超えることはなかった。それが頻繁に超えるようになったのは 22年頃からである。今日、中国は、この状況を常態化させようとしている。
