世代交代の革命防衛隊
ベイルートの消息筋によると、米国の軍事的圧力が強まるのと同時にイラン国内では革命防衛隊によるクーデター説が密かに流れている。革命防衛隊は約15万人を誇るイランのエリート部隊で、最高指導者ハメネイ師直轄の軍事組織だ。37年間にわたってハメネイ体制を支えてきた。
その実態はイラン最大のコングロマリット(複合企業)であることだ。軍需産業、メディア、石油関連事業、港湾、建設、情報機関などを支配し、膨大な予算を持ちながら一切の監査も受けない「聖域」だ。
密輸などにも手を染め、汚職の温床といわれる。ここ数年はハメネイ師の高齢化とともに権力バランスが革命防衛隊に大きく傾いた。
しかし、「12日間戦争」は革命防衛隊に大きな転機をもたらした。戦争で多くの旧世代司令官が死亡し、現場の指揮官を含め世代交代が起きた。1つのシナリオとして流布しているのはハメネイ師が死亡した後、若手の指導者がエジプトのような軍事クーデターを起こすというもの。
もう1つは革命防衛隊の一派がハメネイ師の排除に動き、権力を掌握するというシナリオだ。いずれもこのまま指を咥えていれば、自分たちの利権が失われてしまうという国民不在の身勝手な理由からだ。革命防衛隊の幹部は子ども達を私立学校に通わせ、外国に家を持ち、豪華な車を所有するといった具合だ。
「問題は米中央情報局(CIA)やイスラエル特務機関のモサドと若手が結びつく恐れがあることだ。トランプが聖職者支配よりも軍事独裁政権の方がマシと考えれば十分にありえよう」(ベイルート筋)。すでにイラン国内ではCIAやモサドが入り乱れる激しい情報戦が始まっているかもしれない。
