2024年6月17日(月)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2014年7月15日

「集団的自衛権」利用したけん制

 その表れとして、メディアやイデオロギーを統括する共産党中央宣伝部が盧溝橋事件77年式典の音頭を取ったことがある。

 筆者が77年記念式典を行うことを公式に確認できたのは、国営新華社通信が5日、「党・国家指導者が中国人民抗日戦争記念館を訪れ、首都各界代表と共に、全民族抗戦爆発77周年を盛大に記念する」と「予告」を配信したからだ。同時に「中央テレビや中央人民ラジオが式典を実況中継する」とも伝えた。

 新華社は指導者の氏名には触れていないが、実況中継するほどの重要指導者は習近平以外にいない。時事通信は5日夜、「習主席が出席か」と伝えると、7日付の環球時報は時事通信報道を引用して「習主席出席」を認め、「高規格」に向けた雰囲気を盛り上げた。

 こうした背景には、安倍政権が7月1日に、集団的自衛権行使容認のための閣議決定を行ったことがある。明らかに安倍政権をけん制するための「反日宣伝」の意味があるのだ。

「5470人を殺害した」戦犯供述公開

 北京市共産党委員会宣伝部が管轄する大衆紙・京華時報が興味深い社説を掲げたのは、集団的自衛権行使容認をめぐる閣議決定翌日の2日だった。

 掲げた見出しは「甲午年、日本不正常」。

 60年周期の干支(えと)で、今年は甲午(きのえうま)の年である。同社説によると、「120年前」には中国にとって今も日本に敗北した屈辱の記憶が残る日清戦争開戦、「60年前」は日本の自衛隊が発足、「今年」は日本の戦後安保体制の大転換となる集団的自衛権行使容認があったとした上で、「『正常国家』を追求する日本の不正常」と強調している。

 さらに7月3日には、歴史文書を収蔵する中央档案館が、中国侵略に関与したとして1956年に軍事裁判に掛けられた日本人戦犯45人の供述書のネット公開を始めたと発表した。毎日1人ずつ公開するという宣伝で、中央宣伝部は中国メディアに連日報道するよう指示し、供述書に基づき「1人で5470人の中国人を殺害した」との見出しを掲げた新聞もあった。


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