Wedge REPORT

2014年7月22日

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(3)IQ(個別割当)、(4)ITQ(譲渡性個別割当)

 日本で本格的にIQを導入している漁業は皆無に近く、ITQは導入されていない。

 漁獲量を個別に割り当てず、総量を決めるだけの場合、全体の漁獲量が上限に達したところで、漁を打ち切る方式なので、早い者勝ちのいわゆる「オリンピック方式」となり、燃費をはじめ多くの無駄が生じる。

 IQでは、自身の漁獲量が事前に決まっているため、魚価が高い時期を選んで漁をすることができる。燃費等のコスト削減にも繋がる上、時化のときに危険を冒してまで漁へ出る必要もなくなる。儲かる漁業になれば、補助金をつぎ込む必要はなくなるのだ。

 たしかに、漁業現場の反発を抑えて、調整を行い、新たな制度設計を行う改革は容易ではない。水産庁にとって「膨大な調整が必要で、とても面倒な作業」(水産庁OB)であることは間違いない。だが、現状を考えると、IQ、ITQの導入をはじめ、適切な資源管理導入を進めていく必要がある。

 「人間が獲る量を規制しても海流や水温の変化などで魚が減ることもある」という意見もある。だからこそ、資源状態が悪くなった際に追い打ちをかけるような漁を許す制度は変えるべきである。水産庁等による「我が国周辺水域の漁業資源評価」では、4割以上の魚の資源状態が低位の状況となっている。農水省の調査では、実に9割もの漁業者が「魚が減っている」と回答している。改革は急務である。

他国のウナギまで食い尽くす日本

 今年6月、IUCN(国際自然保護連合)が今年のレッドリストを公表。ニホンウナギが絶滅危惧種(EN)に指定された。トラやトキと同じ格付けである。だが、春先には「今年はウナギ豊漁」という報道がされていた。

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