発想の転換で資源を活用
「高齢者が多い地域では、生活を維持するために、重症化を防ぐ早期医療介入が重要です。公民館では、高齢者向けのヨガ教室やお茶会などを開催しており、地域が高齢者とつながる仕組みは、実はたくさんあるものです。アイデア一つで、地域資源を高齢者のサポートにつなげることができるはずです」
佐藤さんは今、地域コミュニティーから「フレイル」の住民をキャッチアップする仕組みを検討中だ。
「当院は看護師不足で、一病棟休止を余儀なくされました。空いたスペースはケアマネさんに開放し、病院スタッフとの距離を縮めようとしています」
近年、全国的に医療従事者不足と医療機関の経営状況悪化で、統廃合や機能集約が進む。医療という命に関わる分野でさえ「縮む」ことが求められる時代に入ったのだ。だが、縮んでいく資源の中で何ができるかを考えることで、住民にとって本当に必要な医療の姿が見えてくるのかもしれない。
「例えば、オンライン診療は生活維持に要する通院の継続と負担軽減に寄与します。病院集約は不安を招くかもしれませんが、医療資源を集約して十分な入院治療を受けるための環境整備にもつながります。病院縮小の不便さは、医療の役割を見つめ直して上手く利用する機会にもできるはずです」
こうした発想の転換が日本の医療を持続可能なものにする前向きで建設的な視点ではないだろうか。
