2026年4月10日(金)

日本の縮充化

2026年4月10日

 「外来で高齢の患者に『次は3カ月後に』と言うと、『生きていたら、また来ますわ』なんて笑顔で返事をされます。高齢になるほど、病院での積極的な医療介入よりも、穏やかな最期を求める方が多いと感じます」

(MALTE MUELLER/GETTYIMAGES)

 新潟県佐渡市は、人口約4万7000人、高齢化率は40%を超え、毎年1000人以上が亡くなる。そんな佐渡を支える島内唯一の総合病院、佐渡総合病院病院長の佐藤賢治さんと患者のやりとりである。

 「都市部でも、今後は佐渡のような状況に近づくでしょう。東京は例外で、急性期医療が充実している一方、今後急増する高齢者への対策が心配になります」

 佐藤さんによると、都市部以外の地方では徐々に高齢化率が上がったことで高齢者対策が自然に構築されてきているそうだ。東京もソフトランディングできるのか。それには、「生きる」ことに隠れて見えなくなりがちな「最期」についても目を向ける必要がある。

 「多死社会では、急性期中心の総合病院の需要は下がります。むしろ、生活を支える環境の方が重要になるからです。本当に患者さんをサポートするためには病院だけでは完結しません」

 佐渡では行政、医療、介護など分野横断的な組織をつくり、医療提供体制について定期的に協議している。その中で生まれたのが、患者の医療情報を介護福祉施設や薬局などで共有する「さどひまわりネット」、家族構成やキーパーソン、生活能力など日常生活に必要な情報を集約し共有する「さどヘルスケアナビ・りんくる」だ。これらの情報を地域全体で共有することで包括的に住民をサポートする体制を強化している。


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