世界に実力が認められた
中国の造船業
実際、懸念は的中する。
26年が明けて間もなく、中国工業・情報化部は25年の中国造船に関する統計を発表し、同国が造船完工量、新規受注量、保有受注量の全てにおいて世界一を記録し、その世界シェアもそれぞれ56.1%、69.0%、66.8%に達したと高らかに宣言したのだ。
船種も世界の主要18種のうち、16種での新規受注量で中国が世界一となったという。
上海をベースとする三大造船所(外高橋造船、江南造船、滬東中華造船)は、平均5日に1隻のペースで新造船を引き渡してきたというから驚きである。
といっても疑り深い日本の読者の中には、どうせダンピングや「安かろう、悪かろう」だろうと考えるかもしれないが、そうではない。
今年3月19日、世界の港湾管理者の属する国際NGO「国際港湾協会(IAPH)」のホームページに「競合他社が戦略的転換を図る中、中国は造船分野での主導的地位を維持している」という記事が掲載された。
記事は、中国造船業の現状を〈競争力のある価格と品質の向上により中国の地位はさらに強化されており、ほとんどの船主は現在、中国の造船所を受容可能な品質の製品を提供する業者と見なしている〉と評したのだ。
IAPHは造船・港湾情報において世界的権威とされる「ロイズ・リスト(Lloyd's List)」のレポートを引用しているのだが、その「ロイズ・リスト」は25年3月20日付の編集長リチャード・ミード氏による論説「芸術の域に近い」において、中国の造船所を「産業プロセスを芸術の域に近いところまで洗練させた」と絶賛し、話題となった。
ちなみにミード氏は、日中韓の造船をめぐる争いを以下のように比較している。
〈中国はここ数年、最大のライバルである韓国をリードし続けており、競争に留まろうとする日本のやや精彩を欠く3位争いは、昨今の中国の造船所にとってほとんど考慮の対象にもなっていない〉
日本には厳しい現実だ。

