中国政府も自国の造船業を、もはや強力なサポートが必要な産業とは考えていない。そのことは、今年3月5日に開幕した第14期全国人民代表大会の内容からも伝わってくる。
同大会では「第15次五カ年計画」(=「十五・五」)が正式にスタートしたが、その「十五・五」には造船への言及がなかったのだ。
AIなど未来産業に重点を置いた計画だからかもしれないが、それ以上に造船業はもう軌道に乗ったという認識なのだろう。実際、中国の船舶工業が現状に甘んじている様子もない。先述したIAPHの記事の中には、以下のような記述も見つかる。
〈こうした圧倒的な優位性にもかかわらず、中国の業界リーダーたちは、量重視のアプローチから、開放性、サプライチェーンの連携、技術革新に焦点を当てたアプローチへとさらに転換する必要性を示唆している。
中国船舶工業協会の李燕青事務局長は、知的財産の保護、スマート技術およびグリーン技術の強化、そしてレジリエンス(回復力)の向上の重要性を強調した〉
もちろん造船業のテコ入れはここ数年の世界的テーマで各国が取り組んでいる。同記事も日本の動きを〈造船産業の活性化に向けたロードマップを策定し、30年代半ばまでに1~3つの主要グループへの再編を目指している。国土交通省の計画では、35年までに造船能力を1800万総トンへと倍増させ、建造コストを10%削減し、生産性を25%向上させる指針が示された〉と紹介している。
「海洋弱国」の中国が
「海洋大国」となった理由
だが、こうした再編においても中国は先行している。
※こちらの記事の全文は「Wedge」2026年5月号に掲載されている「造船立国ニッポンへ 「復活の号砲」を鳴らせ」で見ることができます。
