2026年5月5日(火)

勝負の分かれ目

2026年5月5日

敗退国から見える代表強化の難しさ

 しかし、出場枠が拡大してもなお本大会に届かなかった有力国の存在は、この大会のもう一つの現実を浮き彫りにする。イタリアは優勝4回を誇る伝統国でありながら、まさかの3大会連続予選敗退となった。これは単なる不振ではなく、世代交代の停滞や戦術的方向性の不明確さといった構造的問題を示唆している。

 同様に、ナイジェリアやデンマークといった実力国の不在も、各大陸における競争の激化を物語る。本来であれば本大会に出場していれば上位進出の有力候補となり得たナイジェリアとデンマークの不在は、単なる番狂わせではない。各大陸予選における構造的な競争激化を如実に示している。

 ナイジェリアはスペインのアトレティコ・マドリーに所属するアデモラ・ルックマンら、フィジカル能力とテクニックを兼ね備えたタレントを豊富に抱え、世代的にも充実期にあったが、予選では安定性を欠いた。組織力が高く、欧州有数のタレント保有国となっているデンマークも、7大会ぶりの予選突破を果たしたスコットランドに競り負けてプレーオフに回ると、堅守速攻を極めるチェコとの一発勝負に屈した。

 14年のブラジル大会でベスト8に進出したコスタリカも、前回カタール大会で日本を破るなど、大舞台での勝負強さを示してきたが、まさかの予選敗退で姿を消した。さらにチリは数年前まで“黄金世代”擁し、南米の大陸選手権であるコパ・アメリカで優勝するなど、世界的にも列強に準じる存在だったが、世代交代の失敗など、チームが崩壊。出場枠が拡大した南米予選でまさかの最下位に沈んだことは、三大会連続で本大会を逃した欧州のイタリアと並び、代表チームの強化の難しさを示すこととなった。

3カ国共催の効果

 48カ国への拡大に加えて、今大会の大きな特徴と言えるのが、アメリカ合衆国、メキシコ、カナダによる史上初の3カ国による共催だ。2018年のFIFA総会で承認され、モロッコとの招致争いを制した結果として実現した。

 北米の巨大市場、既存インフラ、そして商業的価値の高さが評価され、FIFAにとっても収益面で極めて重要な大会となる。ちなみに今回の開催権を逃したモロッコは欧州勢のスペイン、ポルトガルとタッグを組む形で、2030年に地中海をまたぐ新たな大会の開催国となることが決まっている。


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