今回の調査で、「平和と安定に対する米国の貢献度」について尋ねたところ、全体の63%が「まったく貢献していない」か「あまり貢献してない」と回答、圧倒的多数が米国へ不信を抱いていることがわかった。反対に「大いに貢献」「ある程度貢献」は35%にとどまった。
米国に対する「好感度」調査でも、「好感できる」が37%だったのに対し、「好感しない」が57%に達した。
観光客が大きく減少
「好感度」の低下は、米国へのツーリズムにも深刻な影響をもたらしている。
米CNNテレビが去る5月、伝えたところによると、トランプ大統領が2025年1月就任して以来の同年1年間に、外国から米国を訪れた観光客の数は前年比400万人減少、観光収入も「80億ドル以上」の減収となり、08年のリーマンショック不況、20コロナ危機以来の最低を記録した。また、同年1月から7月までの間だけで、海外からのインバウンド観光客数は、対前年比5.5%減で、二十数年ぶりの減少幅となったという。
その背景について、大手旅行会社担当者はCNNに対し「今回のこうした観光不振は、コロナ蔓延や経済不況とは何の関係もなく、明らかに(トランプ大統領の)『人的不始末』によるものだ」と語っている。
さらに、ハーバー大学ケネディ・スクールのジュリエット・ケイエム教授も「かつてアメリカは、多くの外国人から見て憧れの対象だったが、最近のアメリカのニュースといえば、政府機能の混乱、不法移民摘発、ベネズエラなど弱小国への強権発動といったネガティブな材料ばかりで、魅力を失いつつある」と警告、暗にその原因がトランプ政権と関係していることを示唆した。
「ピュー・リサーチ・センター」の調査スタッフは、こうした米国および大統領に対する信頼度や好感度の低下は、前回同様調査を実施したバイデン政権下の22年当時と比較して顕著になっている点を指摘するとともに、特に、トランプ政権下で世界を騒がせた高関税政策、ガザ紛争、デンマーク領グリーンランド奪取騒ぎ、ウクライナ戦争対応、対イラン戦争などが大きく影響している、とコメントしている。
しかし、国際評価の低下以上に懸念されるのが、米国の総合力すなわちリアル・パワーの萎縮だ。リアル・パワーには、移民に支えられた人的資源、教育、自由主義思想、創造性、芸術、自然環境、国際ネットワークなど、目先の利害や効果にとらわれない多くの要素が含まれる。
