私も何度かお会いさせていただいた、ハーバード大学の社会学者であったエズラ・ヴォーゲル氏は、戦後に日本が迎えた高度経済成長の要因を分析し、79年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版された。もう半世紀が経つが、日本は様々な分野でなかなかポール・ポジションが取れていない。その理由の一つは、〝中途半端に国内市場が大きい〟ことだ。「外を見なくても短期的には困らない」という社会に蔓延した危機感のなさが何十年も続いていることが、〝英語でのシステムネス〟が欠落していることにつながっているのではないだろうか。
日本はこの間にも人口減少・少子高齢化が進み、地方衰退など多くの課題を抱える。地球温暖化や貧困、飢餓、戦争など、我々が世界で直面している、そして今後直面する問題は一国の域で終わらない。その時には必ず、国際協力が必要となるが、その土台となるのが人と人との「相互理解」だ。これを英語でできなければならない。
自らの世界を飛び出して
異なる視点で物事を見る
日本が今後、世界の真ん中で咲き誇るためにも、英語での国際標準化のシステムネスの構築が欠かせない。しかし、「言うは易し、行うは難し」である。何事も一朝一夕にはなしえない。だからこそ、個人レベルからの意識改革が必要だ。
海外に出て、異なる視点で物事を見られるように自分の視野を拡げる。その過程で出会う人たちと英語でコミュニケーションが深く取れるように努力する。その中から、自分が友人と思える人や一緒に仕事をしたいと思える人も出てくるだろう。
異なる視点の獲得や人的ネットワークを育てることは、国内で訪日外国人と交流することでも十分できる。そのようなネットワークが個人レベルで拡がっていくと、物事を動かす原動力となっていくだろう。
もう一つ付け加えたいのは、何かを考える時、抽象論ではなく具体論に落としていくことが必要だ。何事にも「原因」があって「結果」がある。逆に言うと「結果」を出すためにどのような「原因」が具体的に必要かを逆算する。そうすると、何をすればよいのかヒントが出てくる。そして導き出した自分の考えを英語できちんと発信できるよう、語学力を磨かねばならない。
国際標準化のシステムネス構築のためにも、異なった視点を持った人材はかけがえのない宝物だ。世界中に自分の信頼できる、そして腹を割って話し合える人的ネットワークをつくっていこうではないか。
