2026年9月16日(水)

都市vs地方 

2026年9月16日

 データセンターが雇用創出にあまり効果がないことも地域の支持を得られない原因になっているようだ。冷却用の水需要が大きいことも問題になっている。紛争が拡大し、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事がこの7月に今後1年間のデータセンター建設を禁止するに至った。

 ヨーロッパでも各国で、データセンターの電力需要が電力料金を押し上げているとして問題になっている。筆者がこの夏、現地で調べたドイツは特に問題で、再生可能エネルギーに傾きすぎ、脱原発、ロシアの天然ガスに依存など過去の政策のツケが一気に表面化したことと相まって電気代が上がっている。

日本が持つ課題

 日本では問題の様相がかなり異なっている。国土に広大な未利用地を抱えていないため、住宅等市街地の近くにデータセンターが計画されることもあって、「巨大な壁がまちに圧迫感を与える」「商店街が途切れる」「騒音や排熱が不安」などの理由で住民が反対する例が目立つ。

 これらの反対理由に対し、データセンター側から解決可能な案を具体的に示す必要がある。「巨大な壁」という不安に対しては、壁面緑化や壁に沿った樹木の植栽、商店街が連続しているような地域に建設する場合は敷地内に商業スペースを設けるなど、それなりの対応ができるはずだ。

 排熱については、施設内で熱交換処理をする、場合によっては地域住民が利用できる温水プールや温浴施設を設置するなど、コストをかける覚悟が必要だ。熱処理用の水についても再利用システムを導入すべきだ。

 以上の指摘に対して「そこまでやるのか」と受け取る人は世界のデータセンター建設をめぐる状況に対して理解が不足している。今や、データセンターは「今世紀最大の迷惑施設」「原発よりも忌避される」などと雑誌に見出しがつけられるほど誤解される施設となってしまった。

 ヨーロッパでも、グーグルやマイクロソフトのデータセンターが集中するアイルランドでは「灰色の葬儀場」と呼ぶ住民もいると報道されたりする。データセンターを建設する事業者はマイナスイメージが定着する前に手を打つべきだ。

 20世紀のデータセンターは企業や政府、自治体が運用する情報システムのバックアップセンター的な性格をもっていたのでさほどの規模を必要としなかった。しかし今日のデータセンターはできるだけ多くの電子情報をAIに収集させ、さらにAI自身に判断させるために巨大規模を必要とするようになった。


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