ライトなファン層を取り込む
五輪での快挙から半年が経過し、競技スケーターとしての現役からは引退を表明しているが、2人の注目度は陰りを知らない。
オフアイスでは、26年4月からGoogleで初のテレビCMに出演し、9月14日には、ブランドパートナーを務める化粧品「エリクシール」の新CMが発表された。雑誌AERAの最新26年9.21-28合併増大号も2人が表紙を飾っている。
ミラノ・コルティナ五輪でショートプログラム5位からの劇的な大逆転での金メダルでお茶の間に感動を呼び込んだ“りくりゅう”人気は、氷上でももちろん健在だ。
2人がプロデュースし、7月31日~8月2日に東京辰巳アイスアリーナで開催された「THE DESTINY」は、3日間計4公演で1万8000人を動員した。このショーの特色は、ペアとアイスダンスのカップル競技による演技が中心となった構成だった。これまでにないショーを成功に導き、「THE DESTINY」は27年も開催する意向であることが明らかになっている。
日本国内のフィギュア人気は、女子で火が付き、男子でさらに高まっていった。
一方で、ペアなどのカップル競技は長らく注目度が低かった。それだけに、あるフィギュア関係者は「五輪の活躍で高まった“りくりゅう”人気が、カップル競技への注目を呼び込んだ。これまでフィギュアスケートになじみの薄かったライトなファン層も取り込んでおり、ショーも盛況だろう」と明るく語る。
今回のツアーでは、大都市だけでなく、地方都市を含む全国をめぐるプランとなっており、「『地元に来てくれる』というのがライト層にとって、アイスショーに足を運びやすくなるきっかけにもなる」とも。チケット価格を低めに設定した席も用意されることで、五輪で活躍した“りくりゅう”のショーを生で見てみたいと思うライト層のニーズにも、うまくマッチしそうだ。
ペア競技にかける2人の思い
過去、4年に1度の五輪での活躍によって、国民的な関心が一気に高まっても、人気が定着しなかった競技、アスリートは数多かった。
“旬”を求めるテレビなどのメディアに呼ばれる形での露出は、ある意味で残酷で、熱しやすく冷めやすい。新たなスター候補が出てくると、勝手に”旬“が過ぎたと判断されてしまう。
この点、“りくりゅう”は、CM出演などのメディア露出でイメージも高めながら、五輪効果が持続しているタイミングで、自らがアイスショーをプロデュースするなど、「受け身」ではなく、積極的に仕掛ける姿勢を見せている。
