2022年12月10日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月1日

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 国際社会は島の建設を技術的に研究し、中国の活動が国際海洋法にあたえる影響についても考える必要がある。南シナ海で新しい現実が出てきている、と述べています。

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 この論説は、南シナ海で中国がサンゴ環礁を埋め立て、「島」づくりをしている状況について、多くの情報を与えてくれます。

 国連海洋法条約は、「島」を、満潮時に海面上にあり、人間が居住し得る自然にできたものとしています。従って、人工的に埋め立て、海面上にあるようにされたものは島にはなりません。それを起点にしてEEZは主張できません。

 しかし中国は、「9点線」の主張のような国際法上根拠のない主張を平気でするので、今の状況を写真にとって、「島」でないものを、後で中国が「島」と主張することを防ぐ準備をしておく必要があります。

 両名は、中国が海洋法条約に反する主張はしないにしても、軍事基地や港湾の整備を通じて、南シナ海をその上空を含め、事実上コントロール下におくことを懸念しています。正統な懸念です。

 しかし、領有権を主張しているベトナムや、フィリピン、マレーシアなどが中国の行動に抗議すること、日米などが紛争の平和的解決のために一方的な現状変更措置は控えよと言うことくらいしかありません。中国がかかる声に耳を傾けるか否か、あまり希望は持てません。中国のA2ADその他に対抗するためには、軍艦を時折派遣し、航行の自由の権利を主張しておく必要もあるでしょう。この問題についてASEANの海洋国家に国際会議開催を主張してもらうのも一案です。

 中国の拡張主義は許さないという見地で、何ができるか、考える必要があります。この論説は良い問題提起です。

[特集]南シナ海をめぐる中国とベトナムの衝突

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