そして、奈月が図書館に入ると、天井の照明が次々に消されて、暗闇となる。追い詰められたと感じてパニックに陥って倒れた、奈月を愁夜が抱き起こす。
「15年前にわたしを助けてくれたのはあなたですね」
「思い出してくれてうれしいよ」と不敵な笑みを浮かべて愁夜はつぶやくのだった。
新たな魅力のタイムマシーン・ドラマ
愁夜の登場は、奈月の母の相沢良美(岸本加世子)にも衝撃を与える。良美は、やはり光成大学の薬学部の教授である。難病の治療薬を開発したことで有名な学者である。
健太郎の母・結城希美(秋本奈穂美)のもとを尋ねて、告白する。
「わたしはあの時、自分を見失ってしてはいけない約束をしたのかもしれない」
あの時とは、奈月が誘拐事件に巻き込まれたときである。
いったい、彼女はなにを約束したのだろうか。そして、誰に。
タイムマシーンの時間のパラドックスをどのようにドラマはみせていくのだろうか。
つまり、過去にさかのぼって事象を変えたときに現在が変化しても、それは変化した未来として受け入れられて、変化したことを認識できないのではないか。
ドラマの結末は、タイムマシーン・ドラマとしては新しい魅力的なものとなるだろう。
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