日本の漁業は崖っぷち

2014年11月4日

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 最大の問題は、資源管理に関する正しい情報が国民に知らされてこなかったことです。いつの間にか、日本は世界で最も魚を食べる国家の一つであるのに、その肝心な資源の問題には極めて疎い国民になってしまいました。

 釧路、八戸、石巻、気仙沼、銚子、境港、下関、長崎など、これらの地方に共通していることは、魚の水揚げの増加とともに発展し、水揚げの減少とともに衰退してきたということです。重要なのは、魚の資源の増減とサステナビリティー(持続可能性)です。地方創生のキーワードには、間違いなく「水産資源管理」「サステナビリティー」が含まれるべきと考えます。

 世界の海では、かつて日本同様乱獲により資源を減らしてしまい、それを回復させた例がいくつもあります。かつて水揚げが盛んだった日本の地方都市に、立派な港を作ったり、水産加工場を作ったりしても根本的な解決にはなりません。「水産資源」がなければ、持続的に発展することはないのです。

 また、ウナギ、ニシンなどのように、あまりにも水産資源をいためつけてしまった場合は、果たして回復できるのかどうかは分かりません。大切なのは、手遅れになる前に手を打つことです。

日本人が聞いたことすらない言葉?
「サステナビリティー(持続可能性)」

 日本経済新聞(10/18付)の「知っているようで知らないカタカナ語」。「聞いたことすらない言葉も」という記事がありました。その中で、「サステナビリティー (持続可能)」が、第4位にランク付けされていました。この単語は、海外では漁業はもちろんのこと、環境関係の言葉として重要なキーワードです。残念なことに、この重要な言葉が日本ではほとんど一般的には知られていないようです。

 下の写真は、ニュージーランドの水産会社の建物と、使用している箱です。sustainable seafood(持続可能な水産物)と書かれています。同社の名刺にも同様に記載があります。ちなみに何年前から書いてあるのか聞いてみたところ、「何でそんなことを聞くの?=(当たり前でしょ!)」 と言われました。ちなみにオーストラリアの水産会社の名刺にも、同様の内容が書いてありました。サステナビリティーは、オセアニアだけに限らず、欧米の漁業先進国でも常識であり、国際的なキーワードです。サステナビリティーがあってこその漁業なのです。

ニュージーランドの水産会社の入り口や資材にはsustainable seafood(持続可能な水産物)の言葉があった

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