2024年7月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年11月27日

 本提言は、議会による国防予算大幅削減への巻き返しが主要な動機なのでしょうが、核兵器撤廃や武力不介入を掲げてきたオバマ政権に対する方針修正への呼びかけ、あるいは、訪中を前にしたオバマ大統領に過度の対中入れ込みに警告する意味も持っていたものと推測されます。

 しかし、本提言はほとんど話題になっていないようであり、そこは1995年当時と異なります。本提言に対しては、以下のようなことが指摘できるでしょう。

 核の傘については、太平洋配備の米巡航ミサイル「トマホーク」から核弾頭が撤去されていること、いわゆる「核の梯子」を大きく損なったことを是正する必要があります。つまり、日本等が周辺諸国から核兵器による威嚇を受けた場合、核搭載トマホークを欠く米軍はこれを抑止する手段を本国配備の長距離核ミサイルに大きく依存することとなります。しかし、それは米本土への攻撃を招くこととなるので、同盟国を犠牲にするか、米本土への攻撃の危険を甘受するかの選択をせまられる状況になっています。ここに1つの問題があります。

 戦略対話の強化については、国家安全保障局と外務省、防衛省の間でよく調整し、情勢認識と戦略を米国と常にすり合わせておくことが重要です。現在行われている新ガイドラインの策定作業は、当然のことながら、そのための貴重な機会です。

  
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