古代エジプトのコレクションといえば、カイロ・エジプト博物館、ロンドン・大英博物館、パリ・ルーヴル美術館などが有名だが、イタリア北西部の都市トリノにも、それらに匹敵するすごい博物館があることをご存じだろうか。
ナポレオンのエジプト遠征に従軍し、フランスのアレクサンドリア総領事となった、外交官でエジプト学者のベルナルド・ドロヴェッティの収集品を中心に創設されたトリノ・エジプト博物館だ。8月1日から10月4日まで東京都美術館で開催される「トリノ・エジプト展」では、その貴重なコレクションの中から、大型彫像やミイラ、彩色木棺(さいしょくもっかん)、ステラ(石碑)など、選りすぐりの至宝約120点を日本で初めて公開する。
トリノ・エジプト博物館というと、展示方法のすばらしさでも有名だ。2006年のトリノオリンピックに合わせ、アカデミー賞を受賞した美術監督ダンテ・フェレッティがこの博物館の彫像ギャラリーを改装。照明と鏡を駆使した独特の演出で注目を集めた。
今回の展覧会でも「イビの石製人型棺(せきせいひとがたひつぎ)の蓋(ふた)」や「ライオン頭のセクメト女神坐像」など、2メートル級の大型石像群の展示にこの演出方法を採り入れる予定。ドラマチックに蘇る古代エジプトコレクションに期待が高まる。
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神秘的空間に蘇る ツタンカーメンの彫像/東京都美術館(~2009年10月4日)
●トリノ・エジプト展─イタリアが愛した美の遺産
東京都台東区・東京都美術館(山手線上野駅下車)
〈問〉03(5777)8600
http://www.torino-egypt.com/
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