「呟く市長」は何を変えようとしているのか

2014年12月11日

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 県外の人が持っているイメージは、多くが県内出身者で形成された千葉市役所の人にはわからないんですね。私は日本各地で講演の機会をいただいていますが、幕張新都心の話を始めると「えっ? なんで千葉市長が幕張の話を?」という反応です。「幕張新都心が千葉市にあることを知らなかったという人は手を挙げてください」と聞くと、多くの方が手を挙げられます。

 千葉市が幕張新都心のブランドイメージを吸収できていなかった、それがインバウンド戦略の最大のネックだったんです。幕張の企業の方々と千葉市役所の職員の交流もほとんどなく、就任して幕張の企業に挨拶に行くと「市長が来られたのは初めてです」と言われました。幹部クラスもまったく訪問していなかったそうです。私がしつこいくらいに幕張について発言するのは、千葉市と幕張のイメージを少しでもつなげたいからなんです。

 JR千葉駅周辺(※中央区)の経済界と、幕張(※幕張は花見川区と美浜区にまたがる広域地名)の経済界も分かれてしまっていました。幕張は幕張だけのコミュニティがあり、千葉市の経済界にはあまり顔を出さない。民間レベルでもいまだに一体感を持てていない、それが現状です。

 とはいえ、融合する必要はないんです。幕張というもうひとつのエンジンを活かすために、日本全体における幕張の位置づけを千葉市民が意識することが必要なんです。

 市役所の経済部も、幕張の企業についてはよく知らない状態でした。ウェザーニューズ社やZOZOTOWNなどを運営するスタートトゥデイ社といった幕張に本拠を構える企業名も知らなかった。スタートはそこからでしたがこの4~5年で、職員もだいぶ幕張の企業と交流できているのではないでしょうか。企業側の認識もだいぶ変わってきていますし、定期的な意見交換もできるようになりました。これまでそれがなかったことが問題ではあるのですが、ひとまずは進歩です。

 自治体によっては、イオンの出店は地場経済への圧迫になることもあるでしょう。でも千葉市にはその本社があるわけで、意味合いは異なります。世界を見ている企業の視点から、千葉市に求められているものを見出すことや、協力できることを探すことは、私には優先順位の高い課題だと思えました。

 かつては川崎製鉄(現在のJFEスチール株式会社)と共に発展をしてきた歴史が、千葉市にはあります。それと同様に、イオンも重要なパートナーとして考えています。(第3回へ続く)

(11月19日(水)千葉市役所内 市長室にて収録)

熊谷俊人(くまがい・としひと)
1978年奈良県天理市生まれ。父の転勤に伴い千葉、大阪、兵庫に移り住む。2001年3月に早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業し、NTTコミュニ ケーションズ株式会社入社。2006年、民主党の市議会議員候補公募に応募、合格。翌年4月の千葉市議会議員選挙(稲毛区)に立候補、当選。さらに 2009年に千葉市長選挙に立候補、当選。31歳の市長は当時の全国最年少であり、政令指定都市としては歴代最年少。2013年の千葉市長選で再選され る。千葉市中央区に妻と二人の子と暮らす。ツイッターアカウントは https://twitter.com/kumagai_chiba

  
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