2022年12月6日(火)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2014年12月22日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 しかし、社会保障支出額の多くは割合が高まり続ける高齢者関連に向けられており、それ以外の支出はOECD諸国中下位にある(図表3)。少子化対策を含む家族政策関連支出では34カ国中23位であるし、失業や雇用対策を含む雇用関連支出では同27位といった具合である。

【図表3】OECD諸国:社会保障支出に於ける日本の順位
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 しかも、この福祉水準を低負担で維持できたのは、若年人口が増え続ける人口増があったからで、少子高齢化が急速に進む現状ではもはや現行水準ですら維持できない。このまま低負担を続ければ福祉水準を大きく切り詰めていくしかないし、財政を破たんさせずに社会保障制度を維持拡充しようと思うのであれば、中福祉に見合った負担としていくしかない。

スウェーデンの一人当たり社会保険料負担は
日本の半額ほど 

 ここで注目されるのはスウェーデンである。超円高時の2012年時点の比較でも、円換算した一人当たりの社会保障給付費はスウェーデンが日本の1.6倍近くある(図表4)。

【図表4】国民一人当たり 社会保障給付費
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 もちろん、スウェーデンは高福祉高負担を旨とする福祉国家であり、日本とは大いに違う。しかし、注目点はその充実した福祉水準にあるのではない。一人当たりの社会保険料負担が日本の半額ほどしかない点にある。

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