科学で斬るスポーツ

2015年1月9日

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松山の強みは強靱な下半身

図4 松山のバックスイングは、ほとんど下半身を動かさず、上半身をプラスチックのようにひねっている。理想的なフォームに近い(出典:『ゴルフは科学でうまくなる』(ライフ・エキスパート))
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 一方、松山の強みは強靱な下半身だ。バックスイングするときに下半身は微動だにしない。浜田さんも「重心はほとんど移動しないなど安定感は抜群」と語る。

 松山のバックスイングは、図4のプラスチックの下敷きのように、両足が地面にぴたりとつき上半身の回転だけで打つ。左足はほとんど動かさない。世界トップクラスのティー・ショットにつながっている。

 なぜ下半身をほとんど動かさない方がいいのか。それはゴルフがどんな状況、精神状態においても同じスイング、パッティングをする「高い再現能力」が求められるスポーツであるからだ。

 野球、サッカー、柔道、フェンシングなど相手の動き、出方によって、対処法を変えるスポーツと異なり、ゴルフの相手は静止しているボール。下半身を動かさない方が、再現性が高まる。

図5 下半身を動かさない方(without step)が、再現性が高く、強いパワーを生む(提供:深代教授) 拡大画像表示

 もう一つ、下半身を動かさない方が、上半身一体となってパワーをクラブに伝えることができるという。

 東京大学の深代千之教授(スポーツバイオメカニクス)は、左足を動かす場合とそうでない場合の違いを比較した。

 「左足を動かさない方が、バックスイングにおける上半身のためが大きく、パワーを生む。一方、身体的な能力の低いお年寄りなどは左足をステップした方がよい。下半身の力を上半身に伝えやすいからだ」と深代教授は指摘する。

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