2024年12月9日(月)

科学で斬るスポーツ

2015年1月9日

 プロゴルファーの松山英樹(レクサス)と石川遼(カシオ計算機)。22歳と23歳、同じ学年のライバルは、国内での数々の輝かしい成績を勲章に、世界のトップアスリートが集う米男子ゴルフツアー(PGAツアー)に参戦して、それぞれ2年目、3年目を迎えた。昨シーズン、松山は日本人4人目となるツアー初優勝を飾り、最終ランキングも16位。一方、石川はシーズン初めのトーナメントで2位に食い込むなど出だしはよかったが、その後、リズムを崩しランキングは103位に終わった。

 2015年シーズンは、どうなるか。すでにシーズンは、昨年10月から始まったが、2人は苦闘しながらも、互いに刺激しあい着実に成長の足跡を残している。メジャー制覇の期待が高まる2人だが、彼らが優勝するためには何が必要なのか。何が強みで、何が足りないのか。2人のデータなどをもとに分析する。

石川遼(左)と松山英樹(右)。それぞれの強み、課題とは…
(写真:Yasuhiro JJ Tanabe/アフロ)

松山の最大の課題はパット

 2人の昨シーズンと、今シーズンのデータを比較してみよう。

 PGAツアーのホームページには、さまざまな指標とランキングが記載された多くの興味深いデータが満載だ。PGAツアーの場合、賞金ランキング上位125位以内に入れば、ツアートーナメントでシード権を獲得できるが、ここでは70位内をまずまずの合格とみることにする。

 まずは、松山のデータ図1を見て欲しい。ドライバー飛距離は文句なし、世界トップクラスだ。「フェアウエイ・キープ率」(ティー・ショットで、ボールがフェアウエイにとどまる割合)や、「パーオン率」(2パットでパーがとれるようにグリーンにオンする割合)は中くらいであることがわかる。

 そのほかに「SGP」「SGT2G」「SGT」の指標があるが、ちょっとなじみのないものなのでまずは簡単に説明しよう。


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