2024年5月2日(木)

ブルキナファソ見聞録

2015年1月14日

ブルキナファソ人の内に秘めたるエネルギー

 コンパオレ大統領への反対表明は、4年前から密かに計画されてきたものだという。今回の暴動は憲法改正案の国会審議が引き金になっているので、計画実行そのものは必ずしもこの時期に決まっていた訳ではないだろうが、コンパオレ大統領が三選を目指すならば……という準備は着々と進められ、だからこそ迷いのない暴動が展開されたようだ。そのすべてが正当化されて良いものだったとは言えないが、少なくとも、そこに正義があったことは多くの人に理解されるものだったと思う。

 暫定政権が発足し、国際社会もまだまだこれからの行方に気を抜いていない状況ながら、それぞれの国ができるかたちでブルキナファソを支えることが求められている。

露店も出て、今はすっかり日常を取り戻した市内

 日常を取り戻し、また、穏やかで大人しい国民に戻ったブルキナファソの人々は、「コンパオレ大統領の退陣を実現したことに目的達成を感じ、これからの国づくりにあんまり関心がないのか」と少し心配に思わせるくらい、楽天的である。いやあ、最大1年間の暫定政権なのだから、ゆっくり決めて行けば良い、1年後にはちゃんと良くなるよ、という人もいる。暫定大統領こそ軍人ではないが、実権を握る首相に軍人が就いていることへの拒否反応は少なく、むしろ歓迎ムードすらある。この点については、民主主義の成熟度合いがまだ十分ではないことを感じさせる。

 でも、どんなに穏やかでも、内に秘めたるエネルギーがすごいことを、誰もが知った。普段は表面には現れないブルキナファソの人々の内側に触れた数日間。2014年はブルキナファソのすべての人にとって、忘れることのできない年になった。本番はこれから。ブルキナファソの本当の真価が問われるだろう2015年も、この地にいられることを嬉しく思う。

  
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