3月1日を以てドイツでの生産を中止し、一部をマレーシアに移管するものの生産数量は減少する見込みだ。ドイツ国内の従業員900名のうち研究開発部門の350名の雇用は維持されるものの、550名は解雇される。
1月26日には、ドイツ最大の太陽光関連企業SMAソーラーが全従業員の約3分の1に相当する1600名を解雇すると発表した。そのうち1300名はドイツ国内の雇用になる。欧州市場での需要低迷により、SMAソーラーは14年の業績見通しを2度に亘り下方修正し、14年の売上7億9000万ユーロ(1070億円)に対し、損失1億1500万ユーロ(155億円)を見込んでいる。15年も欧州市場ではさらなる落ち込みが予想され、また世界市場では厳しい価格競争が続くことから、黒字転換の可能性はないと会社は予想している。
好調な米国市場
低迷する欧州市場と明暗が分かれているのは米国市場だ。ドイツと米国の太陽光発電設備の導入量を図‐1に示した。太陽光発電設備の導入数量は大きく増加しており、2014年の導入量は650万kWに達したと推測されている。太陽熱発電設備を含めると累積の設備量は2000万kWを超えたとみられている。
米国内の太陽光パネルの生産能力は11年には200万kWを超えていたが、その後中国製製品に押され百数十万kWに減少していたが、今年になり増産、新設計画が相次いで発表されている。欧州と米国の違いは何だろうか。